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 健康教室コラム

第3回:スギ花粉症の治療

1.予防的治療

スギ花粉が飛び始める数週前から、抗アレルギー薬を内服し始めます。薬によって1日2回、または1日1回のものがあります。

次の飛散状況はその年により異なります。平成12年は2月前半、平成13年は2月の中旬以降というようにその年により差があります。したがって、その年の飛散状況が分かる1月ころに1度病院を受診して、いつごろから内服し始めるかを相談するとよいでしょう。

スギ花粉症に効く薬は、一般的には眠くなるという印象をもたれる方が多いと思いますが、近年眠くなりにくいものもいくつか使用できるので、専門医と相談されるとよいでしょう。

2.症状が出始めてからの治療

抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服を行います。スギ花粉の飛散量が多い年には、内服薬だけでは症状をコントロールしにくく、点鼻薬や点眼薬を合わせて使用する必要があります。症状が軽い時には抗アレルギー薬の点鼻薬や点眼薬を用い、症状が重いときにはステロイド薬の点鼻薬や点眼薬を用います。ステロイド間点眼薬については長期使用により眼圧が上がる可能性もあるので注意が必要です。

毎年症状がひどく日常生活にもかなり支障をきたす場合には、減感作療法を行います。これはスギ花粉のエキスを希釈して、毎週1−2回、少しずつ皮下注射していく方法です。スギ花粉と粘膜中の白血球が結びつくのを阻止する、阻止抗体を体の中で誘導したり、炎症を起こす白血球の反応性を低下させたりする作用があります。現在の杉花粉症の治療の中で、ユニークかつ理にかなった方法です。減感作療法は今世紀の前半から行われています。しかしながら毎週、一定の期間注射に通わなければならないという、欠点があります。またアレルギーの原因毎週物質を注射していくため、まれにショックなどの副作用を起こすこともあり、慣れた治療を受けアレルギー専門医である必要があります。

鼻粘膜にレーザー光線を照射するレーザー治療も行われる場合もありますが、半年か1年後には再発することも多く、完全な治療とはいえないでしょう。

最後に薬を使用しない予防法としては、外出時には花粉症用の眼鏡、花粉症用のマスクなどをつけたり、布団や洗濯物はシーズン中には外に干さない、などの注意も有効です。


第5回:アレルギーは何故増える
第4回:腰部脊柱管狭窄症について
第3回:スギ花粉症の治療
第2回:白内障
第1回:糖尿病
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