1.糖尿病の現状
現在、日本では、糖尿病を強く疑われる人が、約690万人いると考えられています。1970年代には大体200万人と推定されていましたので、ここ20〜30年で3倍以上となっています。
糖尿病が増えてきた背景としては、生活習慣病の変化が一番考えられます。このため生活習慣病と言われるようになりました。過食・食事内容の欧米化による脂肪摂取の増加・運動不足・肥満が大きな要因となっています。また、ストレスの多い社会環境となっていることも影響しています。
2.糖尿病とは
糖尿病とは、膵臓より分泌されるインシュリンというホルモンの作用不足または量不足による慢性的な高血糖が持続した状態です。自覚症状として、口渇・多飲・多尿・空腹感・全身の倦怠感・易疲労性・体重減少、手足のしびれなどがみられます。また、軽度の糖尿病では、全く自覚症状がなく健康診断の際発見されることがあります。
3.糖尿病の怖さ
糖尿病の怖さは、未治療ないし不充分な治療で10年経過すると、以下のような合併症がひきおこされます。
(1) 糖尿病性腎症:現在、糖尿病性腎症にて新たに腎臓透析に成人が年間6000人以上います。
(2) 眼症状:網膜症・白内障・緑内障を引き起こします。糖尿病性網膜症にて失明する人が年間3000人以上います。20年経た糖尿病の80%にみられます。
(3) 神経障害:手足の先のしびれおよび痛みが出現します。さらに進行すると感覚が焼失し、種々の障害を起こします。
(4) 動脈硬化:動脈硬化を進行させ、脳梗塞・心筋梗塞・下肢の動脈の閉塞等をきたします。
4.糖尿病のコントロール
糖尿病のコントロールするには、食事療法・運動療法・薬物療法があります。なお、当医師会では、年4回糖尿病教室を開催しております。
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